第22番札所 妙福山 佐竹寺 真言宗豊山派 茨城県常陸太田市
第二十二番札所の妙福山(みょうふくざん)佐竹寺(さたけでら)は、大同2年(西暦 807年)徳一の開創とも、寛和元年(西暦 985年)に花山天皇の勅願により元密上人が創建とも伝えられる茨城県常陸太田市の古刹です。
佐竹寺は建立当時は観音寺という名称でしたが、常陸源氏の嫡流である佐竹氏累代の祈願寺として繁栄した頃に佐竹寺と改め、佐竹氏が出羽に国替えとなった後には徳川光圀公の加護を受けたとも伝えられています。
参拝の交通手段はJR水郡線の常陸太田駅から徒歩30分、あるいはタクシーで10分となっていますが、今回私たちは21番の日輪寺と同様に自家用車で参拝しました。
境内は然程広くなく町の中にある古いお寺という印象ですが、本堂や仁王門に歴史を感じます。
中々立派な仁王門をくぐると、その先に歴史を感じさせる茅葺屋根の本堂が静かな佇まいを見せています。室町時代に建てられた本堂は重要文化財になっていますが、ただ少々寂れた印象を受けました。東日本大震災で被害を受けたとのことですが、その辺りも影響していたのでしょうか。
本堂の中には随分と沢山千社札が貼られていました。三十三観音の中でも、この本堂が一番多かったのではないでしょうか。古びた千社札でしたので、少々気になりました。
北向きに建てられている本堂には、安産・厄除けの御利益があるという聖徳太子御作の十一面観世音菩薩像が御本尊として安置され、北向観音として古くから信仰を集めています。ただ残念ながら本堂の扉は閉まっていますので、中の様子はよく分かりませんでした。