第28番札所 滑河山 龍正院 天台宗 千葉県成田市
第二十八番札所の滑河山・龍正院はJR成田線・滑河駅で下車し、舗装された平坦な道を20分ほど歩くと到着します。ほぼ一本道ですので分かりやすい。
ただ本堂の方が駅に近いので、私たちは本堂側から入ってしまいました。山門(仁王門)は駅の方から行くと少し先の方になります。この仁王門がまた歴史を感じさせる、茅葺きで趣きのある立派な山門です。
龍正院は承和5年(西暦 838年)にこの地方を襲った冷害により領民たちが飢えに苦しむ様子を憂いた時の滑河城主・小田将治が発願し、慈覚大師円仁が開山したと伝えられる滑川の古刹です。
御本尊は小田川のほとりですくい上げられた小さな十一面観世音像で、後に仏師の法橋定朝が作った一丈二尺(約4m)の観音像の胎内に納められ、通称滑河観音の名で信仰を集めています。
茅葺き寄棟造りの仁王門は室町時代の文亀年間(西暦 1501年~1504年)に再建された、国の重要文化財に指定されている立派な建物で、この門の内陣の仁王様が火災を鎮座するという言い伝えがあり、毎年1月8日には龍正院の龍に見立てた大注連縄を奉納する習慣があるそうです。
あの大きな注連縄は一体なぜかかっているのか?と不思議でしたが、そういう謂れがあったのですね。
境内にはあまり人気がありませんでしたが、歴史を感じさせる本堂や仁王門がしっかりと地域に根付いた、由緒ある神聖な場所という印象を受ける寺院でした。
またお寺なのに「ぼけ封じ道祖神」が置かれていて、注連縄と言い道祖神と言い、この辺りが仏教と神道が一緒になった、いかにも日本的な感じがして面白いなと感じました。
本堂の右手にある納経所で御朱印を頂きましたが、その時一緒に飴を頂きました。三十三観音霊場を巡ると楽しい経験が出来て嬉しくなりますね。
本尊:十一面観世音菩薩
所在:千葉県成田市滑川1196
納経時間:(夏) 8:00 ~ 17:00
:(冬) 8:00 ~ 16:00
拝観料:なし
詠歌:音にきく 滑河寺の 朝日ヶ渕 あみ衣にて すくふなりけり