第33番札所 補陀洛山 那古寺 真言宗智山派 千葉県館山市
坂東三十三ヶ所観音霊場巡りも、第三十三番札所の補陀洛山・那古寺(那古観音)への参拝で、いよいよ結願となります。
那古寺は私の住むところからは遠いものの、それ程行きづらい場所にあるわけではありません。JRを乗り継いで千葉駅から館山行の内房線普通列車で那古船形駅下車、徒歩約15分くらいで那古観音に着きました。
JR那古船形駅はよくあるローカルな雰囲気の駅で、駅前が狭いロータリーになっていて案外とクルマが通ります。
改札を出て目の前の案内板に従って駅前を左の方向に進み、少し歩いて最初の信号を左折した後は道なりに約15分程歩けば那古寺の参道入り口になり、迷うような道ではありません。
参道を少し歩くと仁王門が見えてきて、なかなか風格のある仁王様が出迎えてくれます。
那古寺は寺伝によれば、養老5年(西暦 721年)に行基が千手観世音菩薩に元正天皇の病気平癒を祈願したところ、安房国那古の浦にて祈るようお告げを得、この地で尊像を刻み安置したところ、たちどころに天皇の病が平癒し、天皇の勅により建立したと伝えられているそうです。
鐘撞堂には立ち入る事ができず鐘は撞けませんでしたが、まずは本堂(観音堂)に向い、三十三ヶ所観音巡り最後のお参りをさせて頂きます。
靴を脱いで本堂の中に上がると、少し遠いですけれども御本尊の千手観世音菩薩のお姿を拝見出来ます。ここで観音経を唱えた時には達成感を感じました。
那古寺の境内は然程広いわけではなく、大寺院という印象は受けませんでしたが、コンパクトにまとまって落ち着いた感じがして、多宝塔や阿弥陀堂など歴史を感じさせる建物も多く、三十三ヶ所観音霊場の最後のお寺さんらしい雰囲気は感じました。
ただ私たちが参拝した時は何かの工事中だったようで、柵などが多く設置されていたのは残念でした。
最後に納経所で結願の御朱印を頂きますが、那古寺で坂東三十三ヶ所観音霊場の巡拝を終えたということで、卒業証書のような証明書も頂くことが出来ます。特に金額の指定はありませんでしたが、お布施は必要です。
私たちの場合は2008年から2014年まで足掛け6年かけての結願です。もちろん証明書は頂くことにしました。
これで後は長野の善光寺にお礼参りに行けば、坂東の三十三観音霊場巡りも全て終了となります。あまり気張らずに楽な気持ちでお参りした事もあって、実に楽しく有意義な時間を過ぎすことが出来ました。ありがたい観音様と、いろいろと下調べをしてくれて一緒に霊場巡りをした家内に感謝です。
那古寺のお参りを済ませた後は、せっかく滅多に来ない那古まで来たので、「崖観音」と呼ばれている大福寺に寄りました。観音堂が崖のところに作られていて、なかなかの絶景です。ただ、崖観音も何かの修復作業が行われているようで、足場が組まれていました。
だいぶ上の方に見える崖観音を見上げて、あそこまで登るのは大変かなと心配しましたが、意外とそうでもありません。三十三札所の中にはもっとキツイところが幾つか有りましたものね。
天気があまり良くなかったせいか、崖観音に参拝されている方はそれ程いなくて、ゆっくりとお参りできました。観音堂から見た那古の町並みと東京湾の景色が素晴らしかったです。
崖観音に参拝した後は漁港の方まで歩き、ふれあい市場という海産物を即売しているところで、昼食に伊勢海老丼を食べました。伊勢海老も美味しかったけど、イカが肉厚で柔らかくて美味しかったですね。
帰りは館山までJR内房線に乗り、館山から東京駅行のJRバスに乗って帰りました。