坂東三十三観音霊場を歩く

第18番札所 日光山 中禅寺(立木観音)

第18番札所 日光山 中禅寺 天台宗 栃木県日光市

  • 二荒山神社の大鳥居
  • 中禅寺山門
  • 風神像
  • 雷神像

第十八番札所の日光山(にっこうさん)中禅寺(ちゅうぜんじ)は、JR日光線の日光駅または東武日光線の日光駅から、東武バスの中禅寺温泉行または湯元温泉行に乗車して中禅寺温泉バス停で下車、バス停から徒歩約15分ほどで着きます。

私たちは東武線の乗車駅で割安感のある「まるごと日光 東武フリーパス」を購入して、東武日光駅前から中禅寺温泉行きの東武バスに乗りました。

途中のバス停でリュックを背負ったシニアの方々が、大勢乗車して来ましたが皆さんお元気そうです。

私たちが出かけたのは初秋の頃で、竜頭の滝の近くではそろそろ紅葉が始まっていたらしいけど、中禅寺湖のあたりはまだでした。

紅葉のハイシーズンだったらバスは相当混雑しますけど、まだそこまでではありませんでした。

中禅寺温泉バス停から中禅寺まで、中禅寺湖に沿って通って歩きましたが、冷たい風が強くてとても肌寒かったです。

しばらく行くと道の両脇にお土産屋さんが増えて、正面に中禅寺の山門が見えてきます。

  • 波之利大黒天堂(正面)と愛染かつらの木
  • 立木観音堂
  • 波之利大黒天堂
  • 身代わり瘤

中禅寺に入るには拝観料が500円必要で、坂東観音巡りでは鎌倉の寺院以来久しぶりに拝観料がかかりましたが、中禅寺は檀家のいない祈祷を主に行うお寺だそうで、だとすれば最近の世相では運営も厳しいと思いますし拝観料が必要なのもわかります。

中禅寺は寺伝によれば延暦3年(西暦 784年)に湖上で千手観音の姿を感得した勝道上人が、桂の木に立木のまま千手観音像を刻み、この立木千手観世音菩薩を本尊として開かれたと言うことです。世界遺産の日光山輪王寺の別院になるそうです。

本堂(立木観音堂)の扉は閉まっているため、御本尊は本堂の中に入って拝むようになりますが、本堂に何人か拝観希望者が集まってから、お坊さんが中を案内してくれます。

御本尊の立木観音の由来など丁寧に説明して頂けますが、一方で当山で護摩を焚いて祈祷した貴重なお守りのセールスなどもされていて、何やら観光地というか商売人という印象も受けます。

ちなみに当日は中禅寺をお参りした後で東照宮などもお参りしましたが、どこも同じような事をしていました。

日光以外ではこういった経験がなかったので、ちょっと可笑しかった。建物を改修中の寺社が多かったし、檀家がいないためにこういった形で費用を工面する必要が有るのでしょう。

商業主義といえばそんな感じもするけど、私個人としては面白かったですね。

  • 鐘楼
  • 諸願成就の梵鐘
  • 境内で見かけた野生の猿
  • 五大堂から中禅寺湖と男体山を望む

中禅寺の御本尊の十一面千手観音は、開山した勝道上人が立っている木を直接を彫って観音様を作られた事から、通称立木観音と呼ばれているそうですが、今でも根の部分は残されているとのこと。そういう話を聞くとご利益がありそうな気がしてきます。

御本尊を参拝した後は、観音堂の中を歩いて階段を上がり、不動明王、降三世明王、軍荼利明王、大威徳明王、金剛夜叉明王の五大明王が安置されている五大堂をお参りします。ここから観る中禅寺湖の風景は素晴らしく、天気が良かったので男体山もよく見えました。

境内には立派な愛染かつらの木や縁結びにご利益があるとして人気のある愛染明王堂、天邪鬼の石像、自分の身体の悪いところの身代わりとなってくれるという「身代わり瘤」、諸願成就の梵鐘など見どころもなかなかあり、時折野生の猿も見かけて、観光地として楽しめるスポットになっています。

中禅寺を参拝した後は徒歩で華厳の滝まで行き、滝正面の観瀑台まで岩盤の中を降りていくエレベーターに乗って華厳の滝を見学しました。

華厳の滝を見たのも随分と久しぶりです。エレベーターに乗るには私たちが乗った時で530円かかりましたが、その価値はありますね。

昼食は家内がネットで調べた「タロー」という店で1600円の和風プレートランチを頂きました。旬の山の幸を使った食事は美味しかったです。舞茸の刺身というのは初めて食べました。

  • 華厳の滝
  • 昼食に頂いた和風プレートランチ


日光山 中禅寺(立木観音)の御朱印と情報

中禅寺の御朱印

本尊:十一面千手観音菩薩
所在:栃木県日光市中禅寺歌ケ浜2578
納経時間:4月~10月 8:00~17:00
    :11月   8:00~16:00
    :12月~2月 8:30~15:30
    :3月    8:00~16:00
    *拝観受付は30分前まで
拝観料:500円
詠歌:中禅寺 のぼりて拝む みずうみの うたの浜路に たつは白波

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