坂東三十三観音霊場巡りの結願御礼 長野善光寺と北向観音
2008年から2014年まで足かけ7年かけてゆったりと坂東三十三ヶ所観音霊場巡りをしてきましたが、2014年11月に結願となりました。
2015年5月に結願御礼ということで、長野の善光寺とその対のお寺だという北向観音に御礼参りに行ってきました。
千手観音を御本尊とする北向観音はその名の通り北向に建立されていて、阿弥陀如来を御本尊として南向きに建立された善光寺の対のお寺として信仰を集めているのだそうです。また現世利益を願う北向観音と未来往生を願う善光寺の両方にお参りすると良いとされているらしい。
奇しくもこの年は7年に一度の善光寺の御開帳の年にあたります。三十三ヶ所霊場巡りは基本的に電車とバスと徒歩で出かけましたが、善光寺と北向観音へのお礼参りはバスツアーを利用しました。
御礼参りが善光寺の御開帳の年になったのも何かの縁、折角ですから回向柱に触れてありがたい功徳を頂いてきましたが、しかし混雑していましたねぇ。
北向観音
北向観音は天長2年(西暦 825年)に慈覚大師・円仁によって開創された古刹で、別所温泉の中にあります。善光寺が日本を代表する大寺院の一つであるのに対して、北向観音は常楽寺という寺院を本坊とする小じんまりとした観音堂です。
バスの駐車場から北向観音まで温泉街の中を10分ほど歩いて行きますが、観音堂に向かう参道に入ると道幅も狭く、参道の両側にはお土産屋さんが並んでいて、昔ながらの観光地というその雰囲気に風情があって私は好きです。
北向観音の境内はそれ程広くなくコンパクトにまとまっている感じで、観音堂もごく普通のお寺さんという感じでしたが、人が多くて混雑していて、不思議とどことなく温かみを感じます。また手水舎の水が北向観音境内から湧出している温泉で温かいのも面白いですね。
境内にある樹齢1200年の愛染カツラの木は、直木賞作家の川口松太郎がこれを元に小説を書いて、田中絹代と上原謙主演で映画化され、「花も嵐も踏み越えて・・・」と霧島昇が歌った主題歌「旅の夜風」が大ヒットした有名な樹木で、長野県の天然記念物に指定され、「縁結びの霊木」として人気があるそうです。
別所温泉と北向観音は中々来る機会がなさそうですが、私はこういう雰囲気の場所が好きです。本坊の常楽寺にも興味がありましたが、ツアーではそちらには寄ることもなく次の善光寺に向かいます。
本尊:千手観音菩薩
所在:長野県上田市別所温泉1666
納経時間:(夏) 6:00 ~ 17:00
:(冬) 6:00 ~ 16:00
拝観料:なし
詠歌:いくばくの 人の心を澄ますらん 北向山の みねの松風
定額山 善光寺
定額山善光寺は皇極天皇3年(西暦 644年)に創建されたと伝えられる日本有数の大寺院で、仏教が諸宗派に分かれる以前に創建されたことから無宗派になっています。
御本尊の一光三尊阿弥陀如来像は、住職ですら目にすることが出来ないとされる絶対秘仏ですので、7年に一度の御開帳では絶対秘仏の御本尊の分身である前立本尊の金銅阿弥陀如来及両脇侍立像が公開されます。
北向観音から善光寺に行くにはツアーバスで概ね1時間位かかりました。7年に一度の御開帳ということで、善光寺周辺が非常に混雑しているということもあったのでしょうね。
長い間生きてきましたが、私は善光寺に参拝するのは生まれて初めてです。流石に善光寺はとても大きなお寺さんで参道も立派で人もいっぱいです。
ツアーで参拝しましたので、ツアー会社と提携しているお土産屋さんが簡単に善光寺と御開帳の説明をしてくれました。山門の扁額の「善光寺」の3文字の中に、鳩が5羽隠されているとか、善の字が牛の顔に見えると言う「鳩字の額」について語ってくれました。また御開帳の時だけの行事だという御印文頂戴は必ずして頂くようアドヴァイスがありました。
まずは今回のお参りのメインイベントとも言える前立本尊と繋がる回向柱に触れるため、長い行列に並びました。これでも比較的空いているということで、確かに1時間も2時間も待つということはありませんでした。
大混雑の中、回向柱に触れて前立本尊と結縁を結び、本堂でお参りして、御印文頂戴の列に並んで頭に法印を押して頂きました。
戒壇めぐりとかにも興味はありましたが、何しろバスツアーなので時間が足りなくなりそうです。結局御朱印を頂いて回向柱に触れて御印文頂戴をして頂いたことで、今回の目的は達成ですので、あとは境内やお土産屋の見学時間にします。
これで坂東三十三観音巡りも全て終了です。ありがたい日でした。