坂東三十三観音霊場を歩く

第30番札所 平野山 高蔵寺(高倉観音)

第30番札所 平野山 高蔵寺 真言宗豊山派 千葉県木更津市

  • かずさアークのバス停
  • 床屋さんの横の橋を渡ります
  • 普通の民家の脇を通る
  • 古そうな石段を上る

第三十番札所の平野山・高蔵寺への交通は、JR内房線の木更津駅からバスで30分弱の高倉観音下バス停下車、徒歩10分というのが案内に載っていました。

しかし私たちは高蔵寺(高倉観音)をお参りした後で笠森寺(笠森観音)に行く予定でいましたから、これでは時間的に厳しいし、そもそもバスの本数が絶対的に不足しています。

そんな折、家内が東京駅からの高速バスを発見しました。鴨川・亀田病院行きの高速バスで「かずさアーク」という施設内にあるバス停で降りると近いらしい。

当日は東京駅9:15発の高速バスに乗り、10:20頃にかずさアークに到着。ここからおよそ20分歩いて高蔵寺に着きました。

道が今ひとつはっきりしませんでしたが、どうも高倉の交差点から高倉観音下バス停に向かう途中の床屋さんの横の道を入って行くと良いみたい。何か案内板みたいなものが出ていれば分かりやすいのですが、おそらく歩いて参拝する人がそれ程多くないのでしょうね。

  • 坂東三十番札所の石碑
  • 高蔵寺の仁王門
  • 高蔵寺の本堂
  • 手水舎

普通の民家の横を通って少し行くと古い石の階段があり、そこを上りきって雑木林の中を抜けていくと、高蔵寺の駐車場に出ます。ひょっとしたらこの道はショートカットで、正式な参道を通らなかったのかも知れませんね。

仁王門を抜けると真正面に大永6年(西暦 1528年)に再建された高床式の本堂が見え、鬱蒼とした森の中にあるコンパクトなお寺さんという感じがします。

高蔵寺は用明天皇の代(西暦 585年~587年)に徳義上人が四寸(約12cm)ほどの観音菩薩像を感得して開基されたと言われています。この観音像は後に行基が刻んだ今の御本尊である観音像の頭部の中に納められているとの事。

本堂が高床式と珍しい様式で、本堂の下では「観音浄土界と地獄・極楽界めぐり」が出来るようになっています。お寺の拝観料は無料ですが、こちらは一人300円でした。

  • 高蔵寺の境内と本堂
  • 鐘楼堂
  • 望叶観音
  • 藤原鎌足が腰を下ろしたという腰掛石

御本尊にお参りをして、御朱印を納経所で頂いた後で、お寺の本堂の下に観光地に良くある秘宝館みたいなものがあるのも珍しいと思い、観音浄土巡りを見学することにしました。たしか割引料金になったような記憶が・・・。

夫婦円満と子宝に恵まれるご利益があるという男根を象ったものや、象牙の観音様などの秘仏・宝物が、所狭しと展示されています。お寺さんなのに少し珍しいものもあります。

でも本当にすごいのは、この床下から本堂まで突き抜けている、これまでは秘仏とされていた御本尊の正観音像を間近で拝観出来ることです。これは有りがたく、けっこう感動しました。

高蔵寺をお参りした後は、高倉観音下11:05発のバスで木更津に出て、五井と上総牛久を経由して笠森寺に参拝するつもりだったのですが、高蔵寺でお参りをして御朱印を頂いただけで結構時間がかかってしまいました。

観音浄土巡りをしたのも、11:05発のバスに間に合いそうもなかったというのが本当のところですけど、これは正解でしたね。なかなか得がたい経験でした。

高蔵寺から笠森寺に参拝するには、次の13時台のバスを待つしかなく、これは時間的に少々厳しい。

結局高倉観音をゆっくりと見学した後は、かずさアークまで戻って東京駅まで高速バスで帰り、東京で昼食をとってから帰宅しました。

田舎の方に行くと本当に交通の便が悪くて、出来るだけ公共交通機関で三十三観音霊場を巡ろうとしている私たちには厳しいものがあります。


平野山 高蔵寺(高倉観音)の御朱印と情報

高蔵寺の御朱印

本尊:正観世音菩薩
所在:千葉県木更津市矢那1245
納経時間:8:00 ~ 17:00
拝観料:なし
詠歌:はるばると 登りて拝む 高倉や 富士にうつろう 阿裟婆なるらん

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